喪122の感想

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第122話の感想です。

来るか、来るかと待ち焦がれていた、そして何かしらの不安も感じていた3年編スタートの始業式、ファンの気持ちに応えるような素晴らしい盛り上がりと余韻のある一回になったと思います。

と書くと冷静に静かに喜んでるような感じですが、実際の気持ちとしては買ってあった宝くじ一枚残らず全部当選した!みたいな感じで、おかしいほど喜んだし興奮もしました。

何と言っても小宮山さん。小宮山さんのファンとしてはこのところ準レギュラーであった彼女が、再びレギュラーキャラとして返り咲くとすれば本当に嬉しい。もこっちと小宮山さんが低地で争っていた頃が大好きだし、ワタモテという物語がキャラクター寄りに展開していくきっかけになったように思います。

思えば随分とワタモテも漫画っぽくなったなと。漫画作品に漫画っぽいというと語弊のある表現ですが、漫画的な表現はとても控えめだったと感じていて、特に初期はもこっちが全ての漫画的表現を背負うことでバランスを取っていたように思うのです。

ツノがあるボサボサの頭、絶え間ないクマというキャラクター性。幾分か平均より劣ってるんじゃないかという自意識を持つ私には、平々凡々な高校生が主人公の物語よりも感情移入しやすかった。かといって劣等生というわけでなく、だらしないだけという湯加減もよく。

周囲に必要以上のギャグメーカー、トラブルメーカーになるような突飛な人がいなく、ギャグの中に淡々とした静かさがある、そういうところがワタモテという物語について行きたいなと思わせるとても重要なポイントでした。

それが小宮山さんという実質的なライバルキャラが登場して物語が転がり始めたな、と感じていたこともあり、小宮山さんは好きだし思い入れがあります。

そのような淡々さ、キャラクター性がもこっちへの集中していた時期から、今回のワタモテは想像できないぐらいバラエティとキャラクターに溢れかえって、とても漫画っぽい。

うっちーが >< こういう目をしてゴロゴロ転がるなんて、初期ワタモテからは想像できないけど、もはや今では最高にかわいいという感じになってます。

ライバルキャラってくくりで見ても小宮山さんが同じクラスになるとともに、ネモも同じクラス。小宮山さんの友人伊藤さんも同じクラスで、彼女ももこっちのことをどう思っているのかはわからない。丸い目玉のポテンシャルさんもどことなくライバルっぽさをたたえています。

このライバル(?)キャラが多いってことだけでも、どれだけ無限の化学反応を生むか。

南さんのように物語内でも特殊な、もこっちと関わりなく外部から嘲笑するような読者の嫌われ者になりそうな人まで同じクラスになってしまった。シリアスにもなりうるし、それまでのキャラクターが崩れていくギャグ展開への期待も含んでいます。

それら今後への期待をこの一回に詰め込むクライマックスに、ネモともこっちの競り合いを持って来る。

上等、黙ってやられる訳じゃないぞ、と掛け金を上げて行くような展開の凄さ。

これが今のワタモテだ!と叫ぶかのような気持ちで、これまで積み重ねてきた物語だからこそできる緊張感とカタルシス。

ネモがその場の衝動でやってしまったことも、清々するだけでなく、後悔含んでもこっちと同じくぷるぷる震えているところが、私の心も震わせる。これはネモともこっちのいくらかトゲトゲしたやり取りの決着ではなく、これからのテーマの一つとしてドンと構えたと確信するところです。

これからのワタモテ、もっともっと面白くなるって読者みんなが思っただろうな、そんな気持ちで一つになれた、こればかりは疑いようもないところです。

広告

喪121の感想

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第121話の感想です。

父親回、というのが来るとは思っていなかったので、しばしタイトルを見て目を疑いました。

過去を振り返って見ると母親回、っていうのは無いわけですよね。それがいきなりの父親回。

父性の喪失とか、あんまりよくわかんない言葉を知ったかぶりで使うのはよしておきますが、ワタモテの物語の中で父親の役割というのは考えてもみなかった。

で、振り返ってみて私自身、智子を友人というよりも親のような目で見ているといいながら、実際こうやって突きつけられてみて、言葉を失っていたというのが現在の心の記録になります。

あくまでこの感想文はその読後感についてその時の気持ちで書き記しておきたいというのが個人的な目的です。あとから読むと随分意見が違っていて面白いんですよ。もし修学旅行編の序盤に感想文書いてたとしたら、このヤンキー嫌な感じですね、とか書いてたに違いないと思うんです。

お話戻ってこの喪121を読んで思ったのは、智子と父親との関係はそんなもんだろうな、というそういうごく当たり前な、単純さも極まる感想です。

父親と釣りに行って智子に変化が生じたりドラマが始まったらワタモテじゃないです。この淡々とした写実的表現はこのところのドラマ展開の中でいかにも気が抜けてますが、物語の身がびしっと締まった気がする、とよくわからない表現になります。

なんとなく思い出したのは数年前に見に行った原恵一監督のカラフルって映画です。単純に父親と釣りに行くエピソードがあるだけで、本当になんの関係もありません。ただあちらは非日常的な展開の中で淡々としつつも濃厚な父と子のドラマが描かれます。川釣りなのも一緒だし、なんとなくです。

智子はおそらく週に何度かは父親と食卓を共にするような優しい家庭に暮らしているようにぼんやりと想像していました。今までの登場シーンはたまたま帰って来るのが遅い回とか多かったですが。

智子は反抗期は無いか、薄い子だと思います。私自身は高校生ぐらいの時は親と一緒にご飯食べるのはしんどいなと思っていたような感じなので、仲良い家族って素直にいいよなと思います。

それは智子が内にこもりがちな一つの理由かもしれないです、学校行かなくていいなら行きたく無いって作中でも語ってます。

少なくとも母親は些細なことで咎めても、父親から積極的に咎めたり行動を縛ったりしないんだろうな。それはでも希薄というと違うんですよね。両親からガヤガヤと進路や趣味や生活、交友について言われたら、こんな家出て行けるものなら出て行きたいと思うでしょう。

智子がスカート長い、化粧しない、身だしなみについては中学生レベルの質素かつ派手を嫌うのはなんらか親の影響もあるんじゃないかと読み始めた初期からの感想です。でもそこにシンプルな力学なんか無いのがリアリティです。

これからも、黒木家ということには興味を持ち続けたいです。描かれないかな、と思っていた部分について、今後もっと深く知ることができるかもしれません。

でも描かれなくてもいいです、そんな断片から智子を読み取り想像を膨らませることが楽しいですからね。大変大切な断片のひとつだと思いました。

喪120の感想文

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第120話の感想です。

前回に引き続き、引っ張ってきた打ち上げ会当日のお話。

クラスでの打ち上げという楽しげで賑やかな空気の中で2年生の振り返りをモノローグでやってしまうのではないか、などと予測していたわけです、かつての学食回のように。

前回盛り上げた分、冷めたもこっちが帰ってくるのかなと。

それがこうくるのか、と驚きました。もう毎回驚いている感じはあります。このところのワタモテは超展開といってもいいとおもいます、あるいは神展開。

なんともこっちが、焼肉屋さんという極限状態の中で普通に振舞おうとしてるし、万全とはいかなくともその場をうまく取り繕うとさえして、やらかすこともない。学食ぐらいのクラスメイトとの立ち回りは安定してできるようになっている。今回の心の声はもこっちが主で、いかにその打ち上げでうまくするかとか、話題をそらすかなどが中心です。

対比するように田村さんがクラスの中で居心地悪さと孤独を味わう役割を持ってしまう。全く想像できなかったし、すごいエピソードだと思います。

今回の田村さんは、田村さん登場前後、つまり修学旅行編あたりからのもこっちの味わってきた居心地悪さを再現して味わってるなと思ったところです。

席変えをして居場所がなくなるのは、修学旅行編初日の新幹線に似ています。

隣にいる南さんがあからさまに向きをそらして背後の真子と話するのはうっちー登場の野球部応援回のバスの中。

焼肉のオーダーの際に何でもいいって言うのは修学旅行で行きたいところを聞かれた時のままなので、同じ田村さんなんだなと感じますが、人との関わりで状況が変わってしまった。

吉田さんが岡田さんと会話しているのを遠目に見るところも、修学旅行編の自由行動の回で吉田さんを誘おうとしたもこっちそのままのイメージ。私としてはここが一番胸に刺さったように感じます。

ちょっと話はずれますが、こういう場は社会人になってから定期的に行われますね。忘年会とかなんだとか。そう言う時に席変えとかしようっていう流れ嫌いなんですけど、それで自分でリードしてポジションとっていく人、うまいなと思いつつもうざいなとも思ってしまいます。できれば普段会話しているグループで固まっていたいのに、乱してくれやがって、という感じです。

そういうのは体育の時間にペアになる人がいないというのよりも、もう一段社会性のあるぼっちあるあるになるなと感じました。田村さんあんまりクラスメイトと絡みがないなら、そういう経験値ゼロだと思うし、そうなるまで隅っこで固まっていられると安心していたのではないでしょうか。その辺を吉田さんに突っ込まれていますね。

そこから田村さんに真子、吉田さん、そしてもこっちが順に集っていくのは、あの嵐山の渡月橋あたりの展開が思い出されて、良いです。感動したという言葉を使うのが安っぽく思うぐらいに良いなと思います。上手く言葉が見つけられないです。

田村さんは田村さんなりにクラスの中で浮いてしまう自分と、そして居場所を発見したという感じです。

もこっちが煽って、吉田さんが受けて、その仲裁に入るって流れは田村さんにとってはルーチンワークみたいになってたとしても、それはそれで居場所だったんだということです。それをみなバラバラになるかもしれないその日に見つけた。

なので最後にわがままを言ってしまう田村さん、切なくもありかわいくもあり。京葉線は夜でもそれなりに本数があるので21時~22時でも10分に1本は電車が来ます。なのであと10分だけ欲しい、って言ってるんですよ。

田村さんの普段の考え方ならかっこ悪い、ダサいことだと思います。そういう自分を海浜幕張のホームに見出した。

ワタモテでそういうお話を読むなんて思ってもいなかった、そしてすごく心を揺さぶられました。

喪119の感想文

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第119話の感想です。

ついに2年編も終わって春休みかと思えば、引っ張りますね。というかいくらでも引っ張ってもらっていいです、読者として。打ち上げをきっかけに春休みをクラスメイト取っ替え引っ替えで遊んでくれてもいいんです。それで1巻、2巻ぐらいあっても歓迎したいところです。

今回様々な良い小エピソードありましたが、一つを挙げるとすれば最終ページのお母さんとの通話終了と書かれたスマホの画面でしょうか。この一コマに込められたものに思わず涙がにじんでしまいました。

どうやってこの気持ちを表現したらいいのか、あえて表現したらチープになってしまうのではないかと思いつつ。

これってわざわざの塊だなとおもってます。もう今更ガラケーの時代のように連絡先の登録番号なんて関係なくなってると思うんですよね。最初に登録した人が1番で、たとえばダイヤルボタン押して1押したらすぐにその電話番号につながるみたいな。今は十字ボタンでカチカチするのでなく、名前で検索したり、あいうえお順をするするとスクロールしたり。

このコマであえて登録番号01であることを書くのは、連絡先の少ない人、例えばもこっちであれば1番目はお母さん、2番目は弟智貴くん、3番目はゆうちゃん、それで連絡先が全部。そういう人ってさみしいよね、自分は連絡先に何十人登録してる、クラス全員登録してるとかで顔の広い人アピール、みたいな一つのぼっちあるあるです。

でも、もこっちだって昨今は連絡先たくさんありますからね。田村さんや真子あたりに尋ねれば連絡網で引っかかる状態です。加藤さんも家電にかけたりとかしなくていい。連絡先が身内しかない、そんな状態から脱しています。だからこそ「登録01お母さん」ってあるあるネタはもはや過去のものです。ついに過去のものになったんだなと改めて思います。

あと01お母さんに登録されたママとの写真って、もこっちが小学生の時に撮られたであろうツーショットの写真。もこっちは多分これを大切に思って、フォトスタンドの写真をわざわざスマホのカメラで撮って登録したのかもしれない。

そんなもこっち、幼い頃、小学生頃を黄金時代と捉えてそこに執着してしまうもこっち。でももうそこから脱しようとしている、というか脱した。明確に脱して一歩踏み出している。その一歩を待つ2人、出向かえるように立つ田村さん、背を向けながらも距離を置かない吉田さん。その3人を脚だけのカットで描いてしまう。

特別編2、1年生の時のクリスマス会のエピソードを受ける形で、ここまで変わったというか、進んだというのがこのふたコマだけでも十分すぎるぐらいに描かれています。

他にも様々な心の機微が表現されていて、素晴らしいエピソードです。その中でもとりわけ最終ページのこのふたコマは心に迫るものがありました。

 

喪118の感想文

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第118話の感想です。

誰しも驚くと思いますが、まさかの岡田さん主役回。

前回タイトルから今回はもう春休みぐらいなのではと思っていたので、まだ2年生のエピソードであることにも驚きました。

ワタモテはその初回から入学式以降およそ一月の時間を置いてスタートしているように、時間の経過にわりとドライだなと思っていました。

その一点、一点の風景を切り出すように描いていましたが、修学旅行以降時間の流れは緩やかで、前後編なども増え点から線の物語作りに変わったなと思います。

さて、今回の主役岡田さんですが、特に悪い子ではないだろうと思っていましたが、思った以上にいい子でしたね。今までの岡田さんの印象はもこっちの前では不機嫌だということ、元バスケ部で体育の授業でも真剣になる子。それぐらいでしょうか。

それが吉田さんのような体格のガッチリとしたヤンキーに物申す。これは勇気を振り絞るような感じではないので、なんなら勝負しても勝てると踏んでるように見えます。

もしかしたら2年生の間、吉田さんには結構思うところがあったのかもしれないです。このヤンキー身勝手なやつだし、もうクラス替えもするから一回きっちりとしておこうかという感じです。もはや岡田さんは根元さんと3年同じクラスで安心ということで、2年は終わったものとしているのでしょう。

それで一度もこっちを引っ張り戻すわけです、根元さんの友人として。そこで吉田さんと田村さんが解散しないというのが面白いです。横槍が入ったしじゃあ解散ってなってもおかしくない場面ですけど、2人できっちり待ってるのがいいですね。

案の定帰ってくることを見越してる。田村さんもいいところで吉田さんを止めるという役割が板についてきたというか、自然なポジションなんですね。

ともかく黒木さんは吉田さんの機嫌を損ねることをすぐにやってしまうので、とりあえず吉田さんの気がすむようにしてもらってから、よいぐらいでと止めに入る。考えて見たらめちゃくちゃ仲のいい友人です。ボケとツッコミみたいな役割分担ができてるなんて。

高校2年のおしまいでははっきりともこっちの周りには友人がいるし、その黒木さんに触れた人は誰でも妙な子だ、面白い子だと気がつくという流れです。

前回のお話でも、もこっちは周囲のキャラクター達を描くための物語の一部でしたが、岡田さんについてはもっと個人を焦点を置いて掘り下げられた感じがします。

岡田さん、根元さん、清田くん、そしてもこっちも原幕入学を気にデビューできると考えていた勢で、原幕はモデルとなった渋幕みたいな進学校でなく、そういう期待を産みやすいゆるい校風なんでしょう。

もこっちは受け身すぎで何もしなかったのでデビューはできませんでしたが、岡田さん、根元さん、清田くんなどは前準備などもあって高校デビュー成功した。成功したとはいえ、苦労はしてるでしょう、描かれてはいなくとも。

最初は同じ気持ちからスタートした人たちが、高校3年を経てどのような結果をたどるか、どんな関わりをもつのか、そんな物語になっていくのかなと思っています。

黒木智子の世代

智子も月日を重ねて成長していますが、智子の世代はその6年以上に及ぶ連載の間に移り変わりをしているように感じています。

ワタモテを初期から追っている人は例えば当時15歳の智子と同世代だったとして、今は21歳です。それぐらいの月日が流れているのです。

2011年に放映されたアニメといえば、魔法少女まどか☆マギカ、Tiger&Bunnyなどがあり、劇中でもゆうちゃんとまどか☆マギカのようなアニメの話をしていたり、第一話ではTiger&Bunnyのポスターを智子が部屋に貼ったりしています。

ワタモテの世界はたとえば2011年に固定されているかといえばそうではなく、その当時の流行に絶えずついていっているようにみえます。

例えば2017年のエピソードであれば君の名はやガーリッシュナンバーの名前を根元さんがあげていましたよね。これって結構面白いなと思っていますが、どうでしょうか。

智子が喪115(前編)で「陰キャラ」なんて言葉をつかったときなどびっくりしました。この世界には陰キャラもいるし、きっとイキりおたくといわれるような存在もいるんじゃないかと。そんな言葉2016年ぐらいのトレンドです。陰キャラなんて数年後にこの言葉を見てもすっかり忘れ去ってしまっているかもしれないし、定着しているかもしれない。

それは違和感として受け取る人もいそうです。初回から劇中2年たったのであれば2013年ぐらいでは?という感じです。

ワタモテの連載は続いていて、離れていく読者もいれば新たに読み始める読者もいます。

智子の倍以上の年齢離れている方もいるでしょうし、彼女と同年代、あるいは年下の読者もいるはずです。

ワタモテは、黒木智子は読者を映す鏡じゃないかなといつも思っていて、智子に共感する、過去や現在の自分を重ねる、だれか古い友人を思い出す、恋人のように好きになる。

思いは色々ある中でも、やっぱりその時の智子と同年代の読者を置いてけぼりにしない配慮がなされているように思います。

2011~2年のままでは作品世界の整合性などは保たれますが、同年代のあらたな読者からすれば古い話だなと思ってしまうでしょう。

ワタモテはこれは自分の話だな、って思う読者層は結構厚いと思っています。

最近では特に根元さんや清田くんのグループとの絡みが多く、コミュニケーションについて違和感、ついていけない気持ちそんなものを抱えた私自身の高校生時代を思い出しながら読んでいます。それは根元さんや清田くんがその時々の高校生らしい話題だとしても、全く違和感なく入ってきます。

智子と同年代や年下の方にとってはどうでしょう。Twitterなんかで年度の変わり目、3月や4月に「もこっちみたいになったらどうしよう」ってツイートを見かけることもあります。コミュニケーション下手で、クラスで孤立したらどうしようって感じでしょうね。

谷川ニコ先生は、ワタモテは常にあなたの物語でもある、という物語作りを続けているのではないかなと思っています。

現役の高校生でない私にとって今のワタモテがどう見えるのかは想像でしかありません。それでも作品世界のリフレッシュは常に行われていて新しい読者にとっても入り込みやすい、そんな感じだったらいいなと思うところです。

 

喪117の感想文

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!第117話の感想です。

もこっち稲毛だったの?というそんな驚きからスタートした117話。誕生日だけでなく住所まで不明になってしまった……。

そんなところに注目すべきではないぐらい盛りだくさんな内容、実質田村さん、根元さんの主役回ですね。小宮山さんもですが、小宮山さんはもこっちの物語からは独立してるから幕間みたいに捉えています。

とはいえ、小宮山さんと伊藤さんの2人きりの会話の2ページなんか濃厚ですよね。私は小宮山さんのことが好きなので、ほんとうにこの2ページが輝きます。

小宮山さんにしてみれば、高校に入って初めて優しくされた、って感じなのかもしれません。それはもちろん伊藤さんにしてみれば意外な反応だったと思います。報われるってことでは、今江先輩の着ぐるみぐらいの感覚なんでしょうね。

自分のために音楽を演奏してもらえるなんて非日常で特別な出来事です。しかも愛するマリーンズの。

なので今回の個人的ベストシーンは「私 伊藤さんと友達でよかったよ…」の「よ…」の部分です。智貴くんと一緒にいる時よりもわざとらしくない少女っぽく、自然に頬を赤く染めて。

惚れたな?

今回はもこっちは脇役というか、特に自分からアクションを起こしていないのに物語を回す役割ですね。もこっちが主役でない回は何度かありましたが、周辺の登場人物が入れ替わり主役になる。

うっちーと田村さんの電車での話は無茶苦茶です。もうキモいとさえ言わないうっちー。何に突き動かされてるのか全くわからないし、実際どんなシーンを描いているのかもわからない壊れっぷり。

あまり本編と関係ないですが、通勤通学時間帯で東京方面から千葉へ向けた京葉線下り方面はうっちーの席の隣が空いてるぐらいの感覚で、逆に稲毛からの上りについてはもこっちと密着してしまうぐらいの混み合いというのは実際そんな感じでした。

南さんとの絡み、これは南さんの性格悪さを描いてるのかなと思うところです。実際どれぐらいのものかは読み取れませんが。ただクラスで静かに過ごす人族にとっては、こういう場面は思い当たるところありますね。

もこっちは「歯、矯正すんぞ」と言ってしまうわけですが。もしかしたら実際これまでも実は内心の声でなく実際に発声していた?あるいは根元さんとランニングした後の「殺すぞ」みたいな感じで、何気なく空気に打ち解けてきたのか。そういう変化があるのかもしれません。

田村さんがそれを聞いて思わず吹き出しそうになる、この下りはいろんな意味が読み取れます。これは田村さんとしてはもこっちを洞察によって知り尽くしていると感じていたところに来た意外だったのでは?と私は思ってます。

田村さんとしては、自らが達観キャラだったわけです。クラス全員を見通している、見透かしている。だから別に誰とも友達でなくとも良い。もこっちは子供っぽい単純バカというかボンクラとして捉えていたけど、わりと尖ったキャラクターなんだなと突然知って面食らってしまったのでしょう。

こういうの面白い。ついにもこっちの面白さが発見されてしまった。

田村さんとしてもこっちを観察の対象にしたのは修学旅行以降です。ただ私たちは第1話からもこっちのことを知って独特だけど面白い子だとおもっていたわけです。でも修学旅行以降の半年以内でもこっちのことを発見してしまった。読者に言わせればぽっと出です。たしかに田村さんは洞察に優れているのでしょう。

そう考えた上で根元さんのエピソード。これは明確にもこっちを第1話以前からしっているレギュラーキャラクターだったってことですね。

だからたいして関心もなく、単に1年生から一緒のクラスなだけの清田くんがモノマネに空笑いするのは腹立つけど、どことなく根元さんのモノマネは許してしまう。

「うぇーい!やったね」の見てたぞアピール、あれは学食でアニメの話を持ち出したもこっちへの意趣返しみたいなものと捉えることができます。もこっちの根元さんに対するお前のことをしってるぞってアピールを受けて、もっと前から知ってるぞ、入学前からしってるぞって、そういうことかもしれません。

ことその事においては、もこっちは根元さんのニワカなわけです。清田くんがもこっちのニワカだったように。

今後もこっちと田村さん、もこっちと根元さん、どんな関係になるのかな。これからの展開がとても楽しみです。