クズとメガネと文学少女(偽)1巻の感想文

星海社より待望のクズとメガネと文学少女(偽)1巻が出版されました。

連載スタートが2017年2月14日でしたので、8月の連載分までで6ヶ月。

Twitter連動の4コマ漫画ツイ4での連載ということで、毎月14日から27日まで15時30分になったらタイムライン集合って感じで毎日読めるのが楽しい。

谷川ニコ先生の連載として現在「私が持てないのはどう考えてもお前らが悪い!」「ライト姉妹」と合わせ3本目となるものです。

表紙の織川さん、可愛いです。谷川ニコ先生の作品の中でも最もかわいいと言って全く過言ではありません。表紙のなんと美しくも繊細、耽美と呼べるかもしれない。

まさかこの猫目の少女があんなため息の出るほどの馬鹿とは。

初期はクズこと古河くんのサイコっぽさが表に出ていましたが、圧倒的に織川さんの馬鹿さに飲み込まれてしまったという感じです。織川さんの馬鹿さが明らかになるとともにメガネこと守谷くんが古河くんを読書の道に導く展開。

あと古河くんと守谷くんの距離が近づくにつれ、同性愛的な誤解を生む展開ですね。これも織川さんの馬鹿に属するものではあるのですが、これが引きずる引きずるという感じで押し流されそうになります。本当に今後付き合ってしまうのではないだろうか。

織川さんは馬鹿、守谷くんが古河くんを読書の道に導く、同性愛、1巻の主題三つの柱と言えるものです。

何書いてるのかちょっと分からなくなって来ました、読んだらわかる、というか、読んでも正直わからない。読書ってものが一応テーマに据えられていますが、びっくりするほど俗っぽい、何となくゲスい、読んでて共感性羞恥みたいな感じになってくる、先の展開が読めない。

だけど面白い。

もし感想がストーリーを語るものであれば、感想を書くことは難しい、どう考えてもこんな感じになってしまう。でも面白い。伝われこの気持ち。本当だろうかと思う方は是非ツイ4で読んでみて、気に入ったら単行本も買ってもらえたらなと思います。

http://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/bungakushoujo/

こちらで読めますので、ぜひぜひ。

ワタモテとのコラボなんていうサプライズ4コマもあり、ツイ4アカウントをフォローしてから結構彩りのある生活になりました。生活を変えるツイ4。

ここからは単行本ネタバレになりますが、買おうかどうかって思う方には逆に読んでいただきたいかも。

書き下ろしに漫画とともに作中に登場する小説に対するコラムがあります。

谷川先生は原作(ネーム)担当と作画担当の二人組なのですが、原作担当の先生(谷川イッコと名乗られることもあります)の地の文を読めるという珍しい機会です。

今までは作者インタビューなどはありましたが、コラムというものを目にすることがなかったように思います。それが読めるというのは、私としては最大の期待がありました。

そして読んでみてわかったこと、谷川先生、読書家じゃない。驚きました。私も読書家ではありませんが、学生時代には毎日本を読む時間があり、それなりには読んで来たつもりです。作中登場の三島由紀夫作品も大好きです。

なので今まで読んで来た作品から三島作品をピックアップされたのだろうなと思って、趣味が似てる嬉しいな、とか考えていたのが思い切り肩透かしをくらい、そのまま前のめりに倒れこむ勢いです。

こんな読書について語っていない読書コラム見たことありません。語るつもりがないというか。

そんな作者が描いた読書テーマの漫画と思えば、今後に期待です。得難い体験と言えます。サッカーのルールはあまり興味ないけど選手のゴシップは好きな人の書いたサッカー漫画みたいな、たとえ最悪ですけど。

あくまで作者と作品は切り離して考えるべきなのかなと思いますが、これによって作品と作者、両方に対する愛情が深まりました。なので迷う方は単行本買って欲しいなと思うところです。